ダイエットをするうえで、『糖質』と『脂質』はとりすぎてはいけないという事は誰でも知っていると思います。
しかし、その『糖質』と『脂質』の働きがどういうものか皆さん知っていますか?
ダイエットをするうえでこの二つの働きを把握しておくとダイエットがもっと効率良くなるでしょう。
糖質の働き
糖質は『炭水化物』から食物繊維をぬいたものです。
スーパーやコンビニで売っているものの表記にも
炭水化物 8.0g
ー糖質 7g
ー食物繊維 0~1g
こんな感じの表記で記載されていると思います。
糖質の特徴は『生命活動のためのエネルギー源として重要』という事です。
脂質やタンパク質とともに三大栄養素と呼ばれ、単糖類・少糖類・多糖類に分類されます。
糖質は、体に入ってくると代謝過程で二酸化炭素と水になります。この過程でエネルギーが産生され、生命活動のエネルギーとして利用されます。
多くの臓器は糖質だけでなく脂肪酸もエネルギー源として利用されますが、脳は糖質であるブドウ糖を唯一のエネルギー源としています。
そのため、糖質を過剰に減らす事は脳にとってはあまり良くありません。
過剰or欠乏になると?
糖質は1gあたり4kcalのエネルギーが産生されます。
長期的に摂りすぎるとエネルギーが過剰になり、肥満・中性脂肪の増加などを起こしてしまいます。
逆に極端に不足すると血糖を維持するために糖新生が活発になり、タンパク質の分解が進みます。
これは、結果として筋肉を分解しエネルギーとして利用していくため、筋トレをしている人にとっては死活問題ですね。
また、低血糖である血糖値40㎎/dl以下になると、意識障害を起こす事もあります。
日常生活で低血糖になる事はまれですが、糖質制限をしすぎるあまり低血糖になり、意識障害まで起こさなくとも、低血糖症状で救急外来に受診する若い方を私は何度か見たことがあります。
- 異常な空腹感
- 倦怠感
- 冷や汗
- 動悸
- 震え
- 熱感
- 悪心
- めまい
- 異常行動
上記は低血糖症状の一部です。もし、糖質制限ダイエットを行っている方がいる場合にはこの症状が出てくるのであれば注意、もしくは糖質制限ダイエットを緩和or中止してください。
低血糖症状の可能性があります。低血糖が進むと命の危険が高まります。
また、糖尿病を患っている方は特に注意が必要です。インスリンユーザーであれば、食事を摂っていてもインスリンの効果で低血糖が進行する可能性もあるため、食べていても低血糖を繰り返す場合は、主治医に早めに相談しましょう。
また、もし低血糖が確認できたのであれば、ブドウ糖や清涼飲料水などを摂取しましょう。
糖質の適正量
ここまでは糖質の働きなどを説明しました。
そこで次は適正量についてです。
いくら過不足に注意しましょうといっても適正量がわからなければ過剰も不足もわかりません。
1日の適正エネルギー量=身長(m)×身長(m)×22×身体活動量
上記の式で適正エネルギー量が求めれます。
活動量というのは人によって異なります。
- 低い→25~30(歩行1時間/日 デスクワーク作業が多いなど)
- 普通→30~35(歩行2時間以上/日 立ち仕事が多いなど)
- 高い→35~(1時間以上/日の力仕事に従事している方など)
上記に当てはまる数字を式に当てはめて計算しましょう。
糖質は1日に必要なエネルギー量の55~60%と言われています。
上記の結果から、必要な糖質のエネルギー量を計算しましょう。
例)身長170㎝で立ち仕事が多い人の場合には
1.7×1.7×22×30~35=1907~2225 これから55~60%は
1048~1335kcal
上記が一例です。
こんな感じでおおよその必要量を計算できます。
このデータをもとに食事を見直してみてもいいかもしれません。
糖質を摂るタイミング
糖質が含まれている主食は3食必ず摂った方がいいです。割合としての理想は
朝食4 昼食3 夕食3
でも朝からがっつりは難しいですよね。
それなら
朝食2 昼食4 夕食3 間食1
これでもいいと思います。
朝食を摂らないというのは絶対にNGです。
理由としては、前述でも書いたように、糖質が足りなくなるとエネルギーとして筋肉を分解してしまうからです。
特に朝食では摂った方が理想的です。
英語で朝食は¨Braek fast¨
Breakは日本語で壊す fastは日本語で断食です。
つまり断食をやめるという意味ですね。
夜間眠っている間は食事を摂りません。つまり断食状態になっているわけです。
体としては栄養が枯渇している状態といえます。
その状態ではこれから始まる1日が、エネルギーが足りず脳の働きもうまくいかずにいぼーっとしたり集中力がかけたりと良い事ありません。
そのため、朝は糖質はしっかり摂った方がいいです。一緒にタンパク質も摂った方がなおいいです。
朝食をしっかりとれない方は、牛乳・プロテインなどタンパク質をとりながらフルーツを摂ってもいいと思います。味気なければヨーグルトと一緒などもいいでしょう。
がっつりは難しくても、これくらいならさっと摂れると思います。
あくまで目安ですが、皆さんも参考にしてみてください。
脂質の働き
体内に存在する脂質は、中性脂肪・リン脂質・コレステロールなどがあります。
貯蔵エネルギーや細胞膜の構成成分となっています。
脂質の特徴としては、中性脂肪は貯蔵エネルギーとして脂肪組織や肝臓に蓄えられます。皮下脂肪組織は体温保持や外圧からの臓器の保護に役立っています。
リン脂質やコレステロールはエネルギー源にはなりませんが、細胞膜の成分として物質透過の調整に関与するほか、血液中でリポたんぱくの成分になっています。リポたんぱく質とは大きく4種類ありますが、採血結果でよく見るLDLやHDLがこれにあたります。
脂質は1gあたり9kcalものエネルギーを産生します。三大栄養素の中で最も大きなエネルギー源です。低タンパク質食の必要性のある人や小食の人にとっては、効率の良いエネルギー源となります。
過剰or欠乏になると?
脂質の通り過ぎは、肥満を招きます。また、高脂肪の食事を摂り続けると大腸がん・乳がん・前立腺がんになる可能性を高めるといわれています。
耐糖能が低下し、糖尿病を誘発するケースもあるそうです。
逆に欠乏すると、血管や細胞膜が弱まり、肌のみずみずしさが失われたりするそうです。
脂質不足のみでエネルギー不足に陥る事はまれとされています。
多少少ないのは許容できますが、過剰はあまり良くないです。
脂質の摂取割合
脂質は1日のエネルギーの中で約20~25%程度が良いとされています。(30歳~70歳)
糖質の説明の際の1例から計算すると
約380~556kcalになります。
グラムで換算すると約42g~62g程度となります。
思ったよりも少ないですね。
動脈硬化を指摘されている方は、この割合が20%以下が良いとされています。
また、肝疾患や胆石症、膵炎を患っている方も同様に脂質の割合は下げたほうが良いです。
特に疾患を患っていない方であれば問題ありませんが、高齢者の場合は食事量の低下によりエネルギー不足に陥りやすいため、必要な食事量がとれていないのであれば、脂質の摂取量を調整してもいいかもしれません。
しかし過剰摂取はリスクを伴うため注意が必要です。
脂質を摂るタイミング
脂質は、摂取量を調整しながら摂った方がよいです。
ここで摂った方がいい!というのはあまりないかもしれませんが、逆に夜多く摂取するのは避けた方がいいです。
理由としては、夜は基本的に安静にし休む時間です。活動量が減るため消費カロリーが少なくなるためです。また、夜から深夜にかけて体の中で脂肪が合成されやすいからです。
そのため、朝・昼である程度とって、夜は低脂肪の食事を心がけた方がよいでしょう。
しかし、人付き合いで夜に飲みに行く・外食などあると思います。
その時は日中で調整しましょう。また、連日は避けた方がいいでしょう。もし連日になってしまうなら、体を動かして消費カロリーを増やすのがベストです。
おわりに
いかかでしたが?
糖質・脂質の摂取の仕方を少し意識してみようかな?と思った方もいるかもしれません。
毎日摂る食事。食べる事が好きな人も多いと思いますが、食べ過ぎはあまりよくありませんね。
何事もバランスが大事です。
3食しっかりと摂取し、夜は低脂質な食事を心がけて健康に向けて体を調整しましょう。
そして、健康な体で一度きりの人生を楽しみましょう。
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