心電図をよむにあたって、大事なのは『基本がわかっているか』です。
基本がわからなければ、何が異常なのか、不整脈なのかも判断ができません。
そこで、まずは基本となる『正常洞調律』について説明します。
そもそも心電図とは?
心電図とは、わかりやすく言うと心臓の動きを波形として目で見えるようにしたものです。
筋肉は動く際に電気信号が出ています。それを読み取っているんですね。
電気信号の流れは、洞結節から信号が発信され心房⇒房室結節⇒ヒス束⇒右・左脚⇒プルキンエ線維という流れです。
普段見ている心電図は心房の動きから見ています。
心房の動きを『P波』。右・左脚などの心室の動きを『QRS波』。心臓が元に戻る時が『T波』です。
心電図はP-QRS-Tの順で波形が出ています。
洞結節の動きは心電図を見ただけでは判断が難しいです。
なので、『心電図よむの難しいよ…』という人は、とりあえずP波は心房。QRSは心室。T波は動いた心臓が戻っている時に出る波形と覚えていていいと思います。
波形は基本的には全て上向きで出てきます。(もちろん例外もあります)
これを覚えると、例えば「P波も出ていてQRS波もあって、T波も上向きで出ている」とわかれば心臓の動きは順番通りに動いているのがわかりますね。
「P波はあるけどQRS波がいつものと比べるとなんか遠いor出ていない」となると、心房は動いているけど、心室に電気信号が通っていないのかもしれない!というのがわかると思います。もしかすると房室ブロックかもしれませんね。
このようにまずは基本の流れがわかれば心臓がきちんと順番通りに動いているのかが判断できます。
正常洞調律って何?
上記で、心臓の動きの流れはわかったと思います。
P-QRS-Tのすべてが連動し一定のリズムで流れている事を『洞調律』といいます。
しかし、これだけでは正常洞調律とは言えません。なぜなら、リズムが速かろうが遅かろうが連動して波形が出ている場合は洞調律というからです。正常洞調律とは60~80の事(成人の場合)を指します。ここは、学生時代でも習う正常な心拍数ですね。
これより遅い場合は『洞性徐脈』早い場合は『洞性頻脈』となります。
心電図をみて、P-QRS-Tがきちんと連動していてリズムも一定。形も通常通りで心拍数も60~80であれば『正常洞調律』といえます。
心拍数は個人差があるため、多少リズムが少し遅い・速いがあってもすぐに大きな異常というわけではありません。
ただし、心拍数が140とか、30とか明らかに正常からずれている場合には何かしら原因があると考えられるので、医師や先輩看護師に相談するのがベストです。
もしかすると、あなたがこれを発見してくれたおかげで患者さんに必要な処置や検査・治療が早く開始できるかもしれません。患者さんにとってはこの上ない事です。もしかするとこれがきっかけで、「ちゃんとモニターも見てくれている」と周囲からの評価もあがるかもしれません。新人や若手看護師からするとかなりうれしい事ですね。
まとめ
- 心電図とは心臓の動きを波形として表したもの
- 心房(P波)⇒心室(QRS波)⇒元に戻る(T波)
- すべてが連動し一定のリズムで出ているのが洞調律
- 心拍数(脈拍数)60~80が正常洞調律
- 速ければ『洞性頻脈』、遅ければ『洞性徐脈』
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